「パチンコ・パチスロ依存問題フォーラム」~相談者の真の姿とは?~

先週の14日、「ギャンブル等依存症対策基本法」に定められた5月14~20日の「ギャンブル等依存症問題啓発週間」に合わせ、「パチンコ・パチスロ依存問題フォーラム」が都内にて開催されました。今回のフォーラムは、パチンコ・パチスロ21世紀会会員14団体と全日本社会貢献団体機構で構成する「パチンコ・パチスロ依存問題フォーラム実行委員会」が企画・実行したものです。

冒頭の基調講演では、「パチンコ・パチスロ21世紀会」代表の阿部恭久氏が「広告宣伝の規制」「18歳未満への入店制限」など、4月19日に閣議決定された「ギャンブル等依存症対策推進基本計画」における遊技業界での取組とその対応策(※下記参照)に触れた後、「遊技業界の取組は十数項目あるが、2019年度中の対応が求められたものがほとんどである。今後、21世紀会では基本計画に基づき、実施すべき取組内容を整理した上で、具体的に対策を検討し、その結果について業界全体にお知らせして参りたい」と今後の方針を紹介。また、2021年度までの対策に設定された「安心パチンコ・パチスロアドバイザーによる依存防止対策の強化」に関して、「現在、全国のホールには約31500人のアドバイザーがいるが、基本計画の中では、アドバイザーの運用改善を行ない、質的向上を図ることも求められている。日々の業務の中で接するお客様の声は千差万別であり、より適切に対処するためにはより多くの経験が必要となる。21世紀会では現場で活躍するツールとして、アドバイザー活用の手引きや安心パチンコ・パチスロリーフレットを提供しているが、今後、これらも現場の実用に即した形で段階的にアップデートしていく予定である。そのためにも、アドバイザーの皆様には分からないこと、判断が難しいこと、実際のお客様の相談事例を21世紀会に積極的に質問・意見を寄せて頂き、現場で活動する皆様と共にアドバイザー制度の充実に向けた歩みを進めていきたい」と抱負を述べました。

 

ギャンブル等依存症対策推進基本計画への取り組み

※基調講演の中で紹介された取組のみ抜粋

 

第1 ぱちんこにおける広告・宣伝の在り方

①     全国的な指針の策定による広告・宣伝の抑制:「18歳未満~」「正しく用量を守り~」など、たばこのパッケージや医薬品のCMの注意喚起文言を参考に、2019年度中に注意喚起標語の一定の大きさや時間の確保を盛り込んだ方針を作成、公表する。

②     普及啓発の推進:通年の啓発活動のほか、啓発週間に合わせ、新大学生、新社会人を対象とした「パチンコ・パチスロ依存問題フォーラム」を開催。また、「啓発週間」自体についても、新たに作成した専用のポスターを全国のホール、自治体、保健所、精神保健センター、大学等に配布し、一般へ周知、啓発する。

※なお、今回の啓発ポスターは主要駅の構内にも掲示された。

 

第2 ぱちんこにおけるアクセス制限

①     2019年中に「自己申告プログラムの周知徹底、本人同意のない家族申告による入店制限の導入等」を開始する。

②     2021年度までに「顔認証システムの活用に係るモデル事業」を検討する。

③     18歳未満の可能性があると思われる者に対する身分証明書による年齢確認を原則的に実施する。

 

第3 ぱちんこにおける施設内の取組

①     警察庁の講和で指摘された営業所内でのATM、及びデビッドカードシステムに対し、2019年度中に撤去等に向けた検討に着手。その結果に基づき、順次撤去を推進する。

 

第4 ぱちんこにおける相談・治療につなげる取組

①     2019年度中に依存問題に取り組む民間団体に支援を開始し、実績を公表する。

②     2019年度は、全日本社会貢献団体機構により、以下の4団体に対して特別助成を行なうことが決定した。

「認定特定非営利活動法人ワンデーポート」「一般社団法人神戸ダルクヴィレッジ」

「特定非営利活動法人ちゅーりっぷ会長崎ダルク」「一般社団法人むらワーカーズホーム」

 

第5:ぱちんこにおける依存症対策の体制整備

①     21世紀会で運用している「依存(のめり込み)問題対応ガイドライン」をもとに、パチンコ依存防止対策に係る実施規定として、新たに「依存問題対策要綱」を制定。広告宣伝の指針、18歳未満への対応などを具体的に規律し、公表する。

②     本要綱に基づく対策の実施状況について、報告書を作成、公表する

③     関係省庁、関係機関、民間団体、関係事業者等が参画し、各地域における包括的な連携協力体制を構築。2019年度中に連携協力体制に参画し、強化を図る。

 

※基本計画は3年毎に見直す。

 

◆RSNへの出向者が体験談を語るパネルディスカッション

 

続いて、RSNへと3ヶ月間出向し、実際の電話相談業務や勉強会に携わった計5名のアドバイザーが登壇し、個々の体験を基に適正なのめり込み対策を討論するパネルディスカッションが行なわれました。この中では、「独り暮らしの寂しさからパチンコにのめり込む高齢男性」「発達障害と対人関係で悩みを抱え、パチンコで心の安定を得ている中年男性」、「家族からいつか借金するのではと危惧される中年女性」「のめり込みから金の無心とDVに走る夫に悩む女性」「メディアの依存症報道に触発された若年男性」など、幾つかの相談事例と具体的なアドバイスを紹介した上で、「1日2000~3000円しか遊ばなくても苦しくなる人がいる。本当の問題は別にあり、パチンコとの適度な付き合い方をアドバイスすべき」「お金の正しい使い方を知らない若年層こそケアが必要」「相談者がDVなどの身体的危険にさらされている時には社会的支援組織での早期解決が必要」「従業員(アルバイト)にものめりこみの危険はある。スタッフにもケアすべき」「家族からの相談の場合、DV、借金など、家族の直面している問題や障害を解決することを優先すべき」など、問題解決に関する様々な意見が飛び交いました。

また、ホールで即座に実施できる対応策として、「第一に、お客様の相談をゆっくり丁寧に聞く(話しただけでお客様が満足する、問題が解決するケースがある)」「具体的な解決策が求められる場合には、RSNに相談する」「“いつもと違う時間に来ている”“よく会話する人が突如寡黙になる”など、お客様の変化に気づいてスタッフ間で情報共有し、時によってはそのお客様に声かけする」と3つの項目がアドバイスされ、特に最後の「お客様の変化に気づき、コミュニケーションを図る」ことについては、ほぼ全てのアドバイザーがその重要性を訴えていました。

これらを踏まえ、各パネラーは「RSNはパチンコをやめさせるところではないし、パチンコでは悪でもない。のめり込み問題は“余暇”“仕事”“生活(金銭)”のバランスが崩れた時に起きるものであり、我々はその根底にある問題に寄り添い、パチンコとの適度な付き合い方や遊び方のコントロールを教える必要がある」と、アドバイザーとしての役割を語りました。

 

最後にパネルディスカッションの総括として、RSN代表理事の西村氏が「RSNへの出向はRSNの成果をホールに持って帰ってもらうことを目的に開始した。現在、1~3%のユーザーが深刻な問題を抱え、専門機関による回復支援を必要とするが、90%は何の問題もない、健全なユーザーであり、このユーザーを深刻な状態に陥らない様に守ること、つまりお客さんが長く安全に遊んでもらう状態を続けることが遊技業界のできる最大の依存対策である。日本のギャンブル産業がオンラインで収益を上げる中、パチンコはランドベースで足を運んでもらう対人サービスであり、対人サービスとしてお客様を大事にすることが他のギャンブル産業との差別化に繋がる。お客様を守る対策には依存問題へのケアも挙げられ、産業の発展や社会への認知に繋がるためにも、自ら対策を作って、業界の財産として依存対策を育てていって欲しい」と総括しました。

 

なお、当日は、一般ユーザーを対象としたフォーラムも開催され、依存問題に対する正しい知識と理解を促すための基調講演、「パチンコ・パチスロ遊技障害全国調査」の結果報告、ワンでポートでの相談会や各団体での支援活動に関する事例報告が行なわれました。

 

◆社会問題と密接する依存問題

依存問題をテーマとしたこれまでのフォーラムや報告会では、いわゆる専門家や識者が医学的・学術的見解を延べ、依存問題に関する知識を深める側面が強かったのですが、今回は、パチンコ・パチスロアドバイザーやRSNへ出向者の数、及び彼らの業務経験値が増えたことに伴い、より実践的かつ具体的な事例と対策が紹介されました。なお、アドバイザーは全国のホールのカバー率にして99%弱となる31500人、RSNへの出向者は8期16名となるそうです。

 

この中で、登壇者が繰り返し述べていたことは、「パチンコ遊技そのものが問題ではなく、個々人の抱える別の問題からのめり込みが起こっている」ということです。確かに最初は「金銭的に苦しい」「パチンコやめたい」と考えたことをきっかけにRSNに相談する人が多いのですが、彼らの話を聞くうちに、対人関係、精神的疾患、生活環境など別のところに問題があることが発覚し、むしろ相談者の生活において、パチンコがプラスになっているケースもあるそうです。登壇者が語っていた様に「パチンコ=悪」ではなく、パチンコに際する依存対策はその背景にある問題を把握し、パチンコとの上手い付き合い方、遊びに際するコントロールの仕方を教えることが重要と言えるでしょう。

この様に、依存問題は、孤独、孤立、貧困、偏見、身体的・精神的疾患、対人関係を筆頭とした社会適応、借金など、まさに現代社会の“闇”とも言える問題と強くリンクしていることが浮き彫りにされました。実際、RSNへの相談者のうち、発達障害や精神疾患を抱えていた人は全体の約3分の1を占めていたそうで、まさに一朝一夕では解決できない「根の深い問題」とも捉えることもできます。

しかしながら、この問題に向き合うことは、「現代社会の問題に取り組む」「社会的弱者を守る」ことにもいずれは繋がっていき、マスコミ報道で広まってしまった業界へのネガティブイメージを是正させるきっかけになることは確かです。

今回のパネルディスカッションの中では、のめり込みで借金やDVに走る夫に悩むものの、病院や警察では十分な対処をしてもらえなかった女性がホールのアドバイザーに相談し、的確なアドバイスを享受できたことにより、業界に対するイメージが改善された事例も報告されました。

もちろん深刻な問題を抱えるユーザーは全体の僅か3%以内に過ぎず、この様な相談に直面するケースは稀でしょうが、「老人の孤独」「引きこもり」「DV」など、現代社会の問題を解決するという観点のもと、登壇者が強調していた「お客様の変化に気づき、コミュニケーションを図る」ことを率先していきたいところです。

※ 当サイトで使用しているホールや機械の画像はすべて許可を取り撮影し、掲載しております。

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