「Pぱちんこ必殺仕事人総出陣」導入~設定機能を認知させるために

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今週より、「Pぱちんこ必殺仕事人総出陣」が一般導入されました。本機種は甘デジのスペックバージョン機になりますが、「必殺仕事人」シリーズとしては約9年ぶりの甘デジ、さらに6段階設定付きの新規則機ということもあり、大いに注目されるところでしょう。

 

今回は、本機種の導入・稼働状況をレポートしたいと思います。

 

◆導入・設置状況

都内繁華街に位置する導入店舗をいくつか視察したところ、設置台数については1~9台と店舗毎で大きなバラツキがありました。今週は、旧基準ミドルの「CRCYBORG009~CALL OF JUSTICE~」、役物抽選タイプの「P蒼穹のファフナー2」、新規則機ミドル・ライトミドルの「P暴れん坊将軍 炎獄鬼神の怪」「P寄生獣」と、各ジャンルで新機種が登場し、現在、自店がどのジャンルに力を入れているかに応じて、導入台数の差が生まれたと判断できます。

これまで登場した設定付き甘デジと比較すると、1台導入に止めた店舗の割合は低く、最低でも2台を確保して設定機能を活用しようとする様子は窺えたのですが、甘デジ不振が長らく続く中、「甘デジ強化」という気運が依然生まれていないことは確かなようです。

 

設置箇所については、この導入状況を反映する様に、既存の甘デジコーナー内が大半を占めましたが、インパクトのある筐体を活かすべく、少台数設置の場合でもコーナー入口付近や角に固めるなど、来店客の注目を集める工夫が施されていました。

また、5台以上の導入に踏み切った店舗では、既存の甘デジとは別のコーナーを設けて甘デジ版「~戦姫絶唱シンフォギアLIGHTver.」などの話題機と併設する、「甘海」コーナーに隣接させるなど、ユーザーへのアピールや回遊を意識した配置が見受けられたことも事実です。

中長期的な設置と運用が期待できるシリーズ機でもあり、導入開始の時点から、一般的な甘デジタイプとは扱いが異なることをユーザーに印象付け、育成に取り込んでいたことが示されています。

 

◆ユーザー動向

今回の視察では、同時導入された他の新機種へとユーザーが分散してしまい、全ての店舗で必ずしもフル稼働には至らなかったのですが、多台数導入に踏み切った店舗を中心に一般的なスペックバージョン機を上回る新台効果を発揮しており、平均で捉えた場合、概ね8割の稼働を維持していました。

さらに同時導入された他の新機種と比較すると、主要ユーザーの年代層が40代以上と一段高く、中高年層の取り込みに成功していることも分かります。とある郊外店では、中高年比率が7割に達していたようで、これまでの「必殺仕事人」シリーズと同様、中高年層が良好な実績を築き上げるための原動力であることは確かでしょう。

 

まとまった台数を導入した店舗では、SUPER小当たりRUSHの発動する特化モード「超確変」突入を機に5000個以上の出玉に至るケースが複数台で確認され、交流サイトにおけるユーザーの反応を見ても、“大量出玉獲得の魅力を備えた機種”であることは認識されているようです。しかしながら、その一方で、「超確変」に突入しなければ出玉400個の大当たりを繰り返してしまうため、「勝ち」を意識・実感できる箇所が「超確変」に限られており、若年~中年ユーザーには「AKB48-3誇りの丘」の様なスペックの辛さが広まっていくリスクも持ち合わせています。

スペックに対するユーザーの評価や今後の遊技意向は気になるところでありますが、甘デジタイプとして捉えた場合、軽めの投資と持ち玉でそれなりに遊べる性能は持ち合わせており、中高年ユーザーの多い店舗では、「海物語」シリーズの様な時間消費型の遊技を定着させて、稼働貢献度を上げていくことが運用上でのポイントになっていくかもしれません。

 

◆設定付きパチンコの課題

昨年夏に「~ヴァルヴレイヴW」が登場して以降、設定付きパチンコのタイトル数は着実に増え、甘デジを中心に新規則機のコーナーを形成する動きも見られ始めています。これらのコーナーでは、「設定機能付き」という札を掲げる、設定毎の大当たり確率を表示するなど、設定機能をアピールする販促も実施されていますが、残念ながら現段階ではコーナー内の空席が目立ち、設定機能がユーザーの遊技動機を高めているとは言えません。

その意味では、設定付きパチンコの遊技に際しては、ユーザーが設定示唆要素や大当たりデータなどで勝てそうな台を探す段階にまでは未だ至っておらず、当面は「設定がどの様な機能か」「設定にどの様なメリットがあるか」といった初歩的な内容を浸透させていく必要があります。

 

特に今回は、「必殺仕事人」というコンテンツ特性から、中高年層が多く遊技している状況にありました。新規則機の普及にあたり、「設定機能に対する中高年ユーザーの認知・浸透」は重要な課題であり、その第一歩として、本機種の運用においては、以下の2点に留意した方が良いでしょう。

 

①大型のポスターや看板で、設定毎の大当たり確率を目立つ様に表示する

もちろん、この掲示物のみで設定機能の特徴をユーザーに浸透させていくことは難しいのですが、少なくとも旧基準機とはスペック表記が異なるため、新ジャンルのパチンコ機であることをユーザーに印象付けることができます。

これらを通じ、「1つの台で異なる大当たり確率を設定できる」ことを中高年ユーザーが何となく理解できれば、「設定付き」という文言に対する捉え方も変化していくでしょう。

 

②複数台を導入して設定①と設定③~④を併用する。

これは設定付きパチンコのセオリーとも言えますが、「まとまった台数を導入できるタイトルがない」「設定幅が小さい」「高設定域の出率が高すぎる」などの理由により、これまで設定を意識した運用は「~ヴァルヴレイヴW」でしか実現できなかったかと思われます。

この様な中、本機種では、「設定①」が辛く設定されているそうで、仮に3台を導入している場合、「1台は回収目的の設定①、残りの2台は遊ばせることを目的とした設定③を投入」といった、設定幅を活かした運用が可能です。

恐らく、設定⑥の出玉性能をアピールしなくても、設定②~④を用いて「大当たり確率約99分の1となる旧基準の甘デジよりも当たりやすい、ハマリが少ない」といったことを体感させれば、設定付きのメリットが伝わっていくかと思われます。

新規則機の最大のメリットは「遊びやすさ」にあります。これを印象付ける意味でも設定①+設定③~④の組み合わせによる運用を心がける必要があります。

 

現在、大当たりのエンディング画面で登場するアイコンやアイキャッチの内容といった、設定示唆要素に興味を示すコアなユーザーもいますが、この様なファンはまだ少なく、設定付きパチンコについては、まさに発展途上の段階にあると言えます。

是非とも、中高年層を集客できる本機種を通じて、パチンコユーザーへの設定機能の普及に励みたいところです。

 

※ 当サイトで使用しているホールや機械の画像はすべて許可を取り撮影し、掲載しております。

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この記事の著者

石野 晃
株式会社 矢野経済研究所
サービス産業事業部 上級研究員
2000年、(株)矢野経済研究所に入社。翌年より会員向け情報誌「パチンコパチスロ新機種情報」の編集業務に携わり、パチンコを中心とした機種分析を本格的開始。以降、アンケート調査業務や遊技機メーカーへの開発支援業務などを通じ、業界に様々な意見を進言している。
株式会社 矢野経済研究所
石野 晃
株式会社 矢野経済研究所
サービス産業事業部 上級研究員
2000年、(株)矢野経済研究所に入社。翌年より会員向け情報誌「パチンコパチスロ新機種情報」の編集業務に携わり、パチンコを中心とした機種分析を本格的開始。以降、アンケート調査業務や遊技機メーカーへの開発支援業務などを通じ、業界に様々な意見を進言している。
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