「Pヱヴァンゲリヲン~超覚醒~」~新規則機への普及に向けて

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ビスティより「新世紀エヴァンゲリオン」シリーズの最新作「Pヱヴァンゲリヲン~超覚醒~」が発表されました。今作はシリーズ13作目にして、6段階設定機能付きの新規則対応となります。

 

スペック面では、メイン機では初となるライトミドルを採用し、これまでのシリーズ機において、ファンが遊技を中止する最大の理由とされていた「初当たりまでの投資負担」に対する対処を施しました。その一方で、SUPER小当たりRUSHと10R大当たりが連鎖する確変状態「IMPACTモード」を設け、出玉の塊も生み出せる仕様としています。SUPER小当たりRUSHの性能は現段階で明らかにされていませんが、「IMPACTモード」の突入率は30%、継続率は50%(復活パターンは除く)とされており、ここ最近のパチンコで見られる「出玉特化モード」の様な位置付けと捉えることができるでしょう。

設定機能に着目すると、大当たり確率が設定①でライトミドルタイプの標準となる約199分の1でありながら、設定毎の差が大きく、設定⑥では約134分の1と破格の数値に至っています。まさに高設定のアピールに適しており、設定を万遍なく投入することによって、ユーザーに高設定を期待させつつ、売上や粗利を確保していくというメリハリのある運用にも耐用できるかもしれません。

 

ここ数年の「ヱヴァンゲリヲン」シリーズは、「海物語」シリーズに準じたシンプルな確変ループのミドルタイプをメイン機に据え、誰もが気軽に遊べる点をセールスポイントとしてきましたが、逆に個性が薄れ、遊びやすさ、出玉感、連荘性能の各要素で突き抜けた魅力に乏しい「中途半端なスペック」とも評価されました。今回は、ライトミドルとしての遊びやすさ、SUPER小当たりRUSHと連動した出玉感、メリハリに富んだ設定機能と特徴を打ち出しており、スペック面の魅力不足から、ユーザーが早期に遊技を中止するリスクは少ないと判断されます。

 

ゲーム性・演出面においては、ギミック「E-FACE」、最強リーチ「アダムスの器VS第13号機」、チャンスアップ予告が集中する「スパイラルゾーン」などの新規演出を設け、新シリーズらしさを打ち出していますが、基本的にはこれまでのシリーズ機と同様、エヴァンゲリオンと使徒との対決を描いた「CG系リーチ」と作品の名シーンを引用した「ストーリーアニメリーチ」を軸とし、ユーザーが即座に親しめる様に配慮されています。

また、本機種では、画面下部のミニスロットの成立小役やゲーム数のカウンタ、大当たり終了画面時のキャラボイス、獲得出玉数の表示画面、ラウンド終了時のトロフィーなど、設定示唆要素が充実している点が特徴的です。朝一番の大当たり時はトロフィーの出現率が優遇されるなど、特定の時間帯を意識した示唆演出もあり、新規則機の設定機能がなかなか普及しない現状下、「設定を推測する」という新たな遊び方をユーザーに提供するきっかけになるかもしれません。

 

◆新規則機の普及に向けて

ここ最近の「ヱヴァンゲリヲン」シリーズは、ユーザーの間でコンテンツや演出、スペックのマンネリ化を招いたことに伴い、満足した実績を残せず、パチンコフロア内でのポジショニングが1島~1BOX単位で導入する主軸機から半島~1島で導入する良好なバリエーション機へとランクダウンしてしまった店舗は多いかと思われます。しかしながら、約15年にも及ぶシリーズ化を通じて、ユーザーの定着度や認知度は着実に上がり、現在のパチンコの中で若年~中高年の幅広い年代を安定的に集客できることに相違はありません。

さらに新規則機という観点で捉えた場合、まとまった台数での導入と運用に耐えられる希少性も持ち合わせており、2019年前半におけるパチンコ新規則機の入替と普及に際しては、「PA北斗の拳7 天破」「Pぱちんこ必殺仕事人 総出陣」に次いで、重要な役割を担うことは確かでしょう。「~シンフォギア」が大ヒットして以降、主軸機の脇を固めるサブとして、ライトミドルのコーナーが各店舗で構築されていることもあり、同コーナーのラインナップ充実やリフレッシュという意味合いも込め、まとまった台数の導入に努めていきたいところです。

 

さらにバラエティ内での少台数設置を前提とした他の新規則機とは異なり、これら大型タイトルの新規則機には「設定」機能をユーザーに浸透・定着させる役割が求められます。

そこで、本機種を導入した際には、低設定~高設定を満遍なく散りばめた上で粗利を上手くコントロールしながら、高設定域の魅力を伝えていきたいところですが、大当たり回数や連荘回数を示すデータ表示器上では、やはり「高設定が投入されている」という事実や結果しかユーザーにアピールできません。設定機能をきちんと集客や稼働の底上げに反映させるためには、やはり設定示唆要素の存在を定着させ、「高設定が投入されているかもしれない」という期待感を植え付けていく必要があります。

 

現時点では、新規則機が満足に導入されていない環境と全国的に広告規制が強化される流れを受け、まだ設定示唆要素の告知に積極的に取り組んでいないホールの方が多いかもしれませんが、設定付きパチンコには、「新台効果が薄れて以降も高設定示唆でユーザーを断続的に集客できる」という旧基準機にはないメリットがあります。

これにより、オフピークとなる午前中や昼間の時間帯に集客や稼働を促す効果も期待でき、先ずは「新規則機には設定示唆要素が設けられていること」を認識させた上で、「設定示唆要素でどんなメリットを享受できるか」「どの様な演出が発生したら高設定であるか」などを情報提供していきたいところです。

特に本機種の様な大型タイトルの場合、パチンコ・パチスロ情報誌やネット上の交流サイトなどで、設定示唆要素に関する情報が大々的に頒布されるケースが想定されます。これらも活用しながら、設定機能への知識をユーザーに浸透させていった方が良いでしょう。

 

◆2019年前半の取組み

ミドルタイプの新規則機が中々適合しない状況から、2019年前半は甘デジタイプやライトミドルタイプを中心に旧基準機から新規則機への入替が進行すると以前のブログでお伝えしました。

その意味では、本機種はまさに絶好のタイミングでリリースされたと言えますが、現在、新規則機に関しては、残念ながらバラエティ内における小ロットでの入替が中心となり、甘デジやライトミドルタイプであっても育成や定着にあまり力が入れられていないことも事実です。

「これらバラエティとは一線を隔した機種」として、ユーザーの期待度を上げていく意味でも、有力な新規則機については、まとまった台数を導入し、設定の投入と設定示唆要素の告知をきちんと実施していきたいところです。

※ 当サイトで使用しているホールや機械の画像はすべて許可を取り撮影し、掲載しております。

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この記事の著者

石野 晃
株式会社 矢野経済研究所
サービス産業事業部 上級研究員
2000年、(株)矢野経済研究所に入社。翌年より会員向け情報誌「パチンコパチスロ新機種情報」の編集業務に携わり、パチンコを中心とした機種分析を本格的開始。以降、アンケート調査業務や遊技機メーカーへの開発支援業務などを通じ、業界に様々な意見を進言している。
株式会社 矢野経済研究所
石野 晃
株式会社 矢野経済研究所
サービス産業事業部 上級研究員
2000年、(株)矢野経済研究所に入社。翌年より会員向け情報誌「パチンコパチスロ新機種情報」の編集業務に携わり、パチンコを中心とした機種分析を本格的開始。以降、アンケート調査業務や遊技機メーカーへの開発支援業務などを通じ、業界に様々な意見を進言している。
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