「CRぱちんこウルトラセブン2」導入~定番機種として育成するためには?

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今週より、一部の店舗で「CRぱちんこウルトラセブン2」が先行導入されました。以前のブログでも何度か触れましたが、今年の夏期・盆商戦の成否の鍵を握る、重要な機種になります。
今回は、本機種の導入・稼働状況に基づき、盆商戦に向けた増客を仕掛けるにあたり、どの様な取組みを行なっていくべきかについて、検証していきたいと思います。

 

◆設置・導入状況
今回、先行導入ということもあり、1階フロアのメインエントランス付近にある主軸機コーナー内で、BOX単位のまとまった台数を設置している店舗が多くを占めました。いくつかの店舗では、昨年登場した「CRぱちんこ必殺仕事人Ⅴ」と同じ箇所に設置しており、昨年と同様の盛り上がりや賑わいを本機種にも期待していることが窺えます。

本機種の導入を機に、主に「CR真・花の慶次2」「CRカイジHIGH&LOW」の2機種で減台、もしくは低貸玉コーナーなどへの移設が積極的に行なわれており、実際、先週まで、両機種の設置されていた箇所で本機種を入れ替えていたケースもいくつか確認されました。「CR真・花の慶次2」については、導入開始から半年以上が経過し、主軸機コーナーの間で世代交代が進んだとも捉えられるでしょう。
その一方で、「CR真・北斗無双」「CR北斗の拳7転生」「CR北斗の拳7百裂乱舞」を併せた「北斗」シリーズは特に減台されないまま、本機種と隣接されていました。今年は、本機種と「北斗」シリーズの2タイトルを軸に商戦へと望んでいく店舗が多いようです。

なお、話題機種であることを意識し、いずれの店舗でも、店頭や入口付近で、大型のポスターや看板などを用いた大々的な導入告知が行なわれていました。これらの販促物では、台数規模の大きさをアピールする文言だけでなく、「13年ぶりに復活」など、パチンコが最も盛り上がっていた時代を思い起こさせる様なキャッチコピーも施されており、前作の「ウルトラセブン」を知る中年~中高年層には大いに注目を集めていた様に思われます。

 

◆集客・稼働状況
都内の店舗では、20代後半~40代の男性を中心に、50代以上の中高年男性層、及び女性層が遊技する姿が目立ちました。前作を知る中年~中高年層だけでなく、「一撃3000個」という出玉性能に魅力を感じた若年層も採り込み、幅広い遊技客層を形成していることが分かります。
この「幅広い年代のユーザーを吸引する」点は、ここ最近の大型タイトルや話題機種全般に該当することですが、「北斗」シリーズの遊技客層と比較すると、50代以上の中高年層の比率が高く、仮に「北斗」シリーズのコア客層が30~40代とした場合、本機種は、それよりも1つ上の世代となる40~50代がコア客層になっていることは確かです。
その意味では、中高年層の囲い込みが本機種の稼働を今後も安定させていく上での大きなポイントとなりそうです。

この様な中、とある店舗では、「海物語」コーナーと隣接する、コーナーの一角に「CRぱちんこ冬のソナタRemember」を設置するなどの工夫を凝らし、本機種のコアユーザーとなる中高年層の流入に注力されていました。その結果、中高年層を中心に立ち見客や見物客が形成される、本機種の溢れ客を「~冬のソナタ」で受け入れるなど、他店舗ではあまり見受けられなかった「プラスαの導入効果」をもたらし、賑わいを構築していた点は特筆されます。

 

◆若年層と中高年層の遊技スタイルの違い

本機種は出玉2400個の大当たり+SUPER小当たりRUSHを搭載した高出玉タイプですが、確変突入率65%、時短100回転など、まとまった出玉を獲得するまでの間口も広く、10000発以上の大きな出玉だけでなく、5000~6000個の中間出玉も比較的高い頻度で生み出せる仕様としています。
実際、箱積みを実施している店舗を視察したところ、設置箇所内で5箱前後の箱積みを万遍なく発生させながら、一部で10箱以上の突出した出玉を生み出しており、出玉という部分での見栄えはかなり良好であった様に思われます。
本機種では、16R大当たりに2回当選した時点で約6000個の出玉を獲得できるため、3~4箱程度の箱積みに至るまでのハードルはさほど高くなく、この部分は出玉演出を行なう上での大きなメリットになるかもしれません。

さらに “まとまった出玉を獲得できる機会が多いスペック特性”が奏功し、中高年~高齢男性を中心に、持ち玉消費で遊技時間が必然的に長期化し、入れ替わりがさほど発生しない状況にもありました。こうした状況が客滞の高さに繋がっていると思われます。
もともと中高年~高齢男性は遊技に費やす時間にゆとりのある年代ですが、現在の4円パチンココーナー内で、50代以上のユーザーが食事休憩を交えながら、1つの台をじっくり打ち込むケースは少なくなっており、彼らにおいては、久々に「打ち込み甲斐のある機種」と捉えられていることでしょう。
各種データにおいても、客滞率の高さが示されており、中間出玉を獲得しやすいスペック特性と、中高年男性の粘りが稼働に貢献していることは事実です。

これに対し、20~30代のユーザーの間では、概ね時短終了などの区切りが付いた段階で、持ち玉を交換する、もしくは台移動するといったアクションを起こしており、持ち玉で粘るユーザーは中高年ユーザーよりも少ない印象を受けました。
「流動性の高い若年層」と「粘りの強い中高年層」という根本的な遊技スタイルの違いもありますが、コンテンツ自体のファン層なども考慮すれば、彼らに中高年層の様な粘りを期待することは難しく、現在、若年層と中高年層のどちらが本機種を多く遊技しているかに応じて、稼働の格差が生じていくかもしれません。若年層に対しては中間出玉を高い頻度で生み出せるスペック特性を活かし「勝ちやすい」などのイメージを植え付ける事で
中高年ほどの粘りはなくとも、繰り返し遊技する機械としての運用が重要になっていくと思われます。そのためにもスタートや小当り時の出玉などには注視しておく必要があるでしょう。

 

◆中高年層の採り込みへ向けて
今回、視察した大半の店舗では、本機種と「北斗」シリーズを隣接させていたこともあり、普段、「北斗」シリーズをメインで遊技しているだろうユーザーが本機種へと流動していましたが、本機種と北斗シリーズの間でコアユーザーとなる年代層が異なる点を踏まえれば、この流れは一時的なものに止まると予測されます。
従って、今後も本機種を主軸機として活用していく上では、極力早い段階で、本機種のコアユーザー、つまり50代以上の中高年男性層を囲い込む必要があります。その意味では、「北斗」シリーズではなく、「海物語」シリーズや「CRぱちんこ冬のソナタ」を筆頭とした、中高年層に食指の伸びる機種との互換性を強める施策を施すことによって、彼らの注目を常に集められる環境を構築し、定番機種の1つとして認識させていくことが有効でしょう。

さらに中高年層が持ち玉消費で長く遊技するという本機種固有のメリットを持続させるためには、当然ながら、スタートや確変中のベースなど、運用方法でも注意が必要です。
現段階では、通常時のスタートがある程度保たれ、ユーザーが「回らない」というストレスを強く感じるリスクは回避されていましたが、右打ち中において、小当たりアタッカー付近へと玉がなかなか導かれず、小当たりに当選しても玉が十分に増えない台が一部確認されました。本機種の特徴はやはり「約2400+600個の一撃出玉」にあり、これによって、出玉の醍醐味が薄れてしまった点は否めません。

この右打ち中の出玉も影響したためか、各種データにおいては、想定以上に玉単価が高めに推移しており、「粗利を取りすぎていないか」という点で不安が残ります。

本機種は、現在の4円パチンコで中高年層の遊技時間を引き延ばせるポテンシャルを秘めており、一般的な新機種と同様の早期回収は避けなければなりません。盆商戦だけでなく、年末商戦前までの閑散期においても、主軸機の1つとなり得ることを念頭に置き、中長期的な視点のもと、売上と粗利を確保していく必要があるでしょう。

 

◆最後に
一般的に中高年~高齢のユーザーに対しては、低予算での時間消費を目的とした遊技や娯楽を重視した遊技を望んでいるといったイメージがありますが、一方で、「アツい勝負をしたい」と考えているユーザーがいることも事実です。
今回の中高年層の遊技状況を踏まえる限り、本機種は、彼らの要望をきちんと満たすことができるという希少性を持ち合わせており、是非とも「北斗」シリーズとの差別化を図りながら、50代以上の中高年層が定期的に遊技する高出玉タイプとしての地位を確立していきたいところです。
先ずは、「5箱前後の出玉が満遍なく発生するスペック特性」と「優しい運用」を通じ、「持ち玉遊技を促進させる→遊技時間を引き延ばす→稼働や客滞を上げる」という良好なサイクルを生み出していくことが望まれます。

※ 当サイトで使用しているホールや機械の画像はすべて許可を取り撮影し、掲載しております。

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この記事の著者

石野 晃
株式会社 矢野経済研究所
サービス産業事業部 上級研究員
2000年、(株)矢野経済研究所に入社。翌年より会員向け情報誌「パチンコパチスロ新機種情報」の編集業務に携わり、パチンコを中心とした機種分析を本格的開始。以降、アンケート調査業務や遊技機メーカーへの開発支援業務などを通じ、業界に様々な意見を進言している。
株式会社 矢野経済研究所
石野 晃
株式会社 矢野経済研究所
サービス産業事業部 上級研究員
2000年、(株)矢野経済研究所に入社。翌年より会員向け情報誌「パチンコパチスロ新機種情報」の編集業務に携わり、パチンコを中心とした機種分析を本格的開始。以降、アンケート調査業務や遊技機メーカーへの開発支援業務などを通じ、業界に様々な意見を進言している。
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