「CR大海物語4 BLACK」~海物語コーナーの活性化

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 三洋より「CR大海物語4BLACK」が発表されました。
 本機種は、2015年7月の導入開始から約3年もの長期に渡り、稼働貢献している「CR大海物語3BLACKライト」の“正統後継機”と謳われています。過去の「海物語」シリーズで正統後継機と銘打ったものは少なく、「大海BLACK」シリーズが如何にユーザーに深く浸透し、確固たるブランドを確立しているかが窺えます。

 スペックに着目すると、突入率100%のSTからV確変STへと仕様が変更されていますが、これによって、前作のトータル連荘継続率(約72%)を保持しつつ、確変突入時の獲得出玉(約2310個→約2430個)の底上げに成功しました。前作の連荘・出玉性能が本機種にも引き継がれたため、賞球3個の旧基準から賞球4個の基準へと変更された新シリーズ機では避け難い“スペックダウンした”感覚がユーザーに生まれづらく、前作から本機種への海ファンの移行と定着は非常にスムーズに実現できるかと思われます。
V確変を採用し、確変突入への間口が狭められた点に対するユーザーの反応という部分で若干不安は残りますが、初回非確変突入時でも100回転の時短が発生し、時短内での大当たり引き戻しも十分期待できます。恐らく、遊技を躊躇してしまう要素にまではならないでしょう。

 演出面では、「ブラックパールフラッシュ」「ブラッククジラッキー」など、前作の代表的な演出を継承しつつ、ST開始時に突入する「ブラックパールゾーン」の変動数と専用演出数を増量しました。さらに新規のプレミアム演出「骸骨船長クラッシュ」、「大海4」の「ビッグバイブ」をアレンジした演出も設けられています。
従来のSTバージョン機と同様、前作「大海BLACK」と本作のメイン機「大海4」の特徴が上手く融合され、双方のユーザーを採り込んで行くことが可能かと思われます。

 以上の通り、本機種は大きな変更を加えることなく、「CR大海物語3BLACKライト」の長所をできる限り引き継いだバージョン機で、キャッチフレーズにもある「正統後継機」としての特性が強く表れています。前作のロングヒットから、集客や稼働のベースとなる固定ファン層が各店舗で既に確立されている点は大きなメリットとなり、運用に際する安定性は抜群と言えるかもしれません。
 

◆「海物語」コーナーの現在
 ここでは、現在の「海物語」シリーズの設置状況に基づき、本機種をロングヒットに繋げる上でのポイントを検証したいと思います。
「CR海物語」シリーズ設置上位ランキング

1位:CRスーパー海物語IN沖縄4MTC(ミドル)
2位:CR大海物語4MTB(ミドル)
3位:CRAスーパー海物語IN沖縄4Withアイマリン(甘デジ)
4位:CR大海物語4Withアグネス・ラム遊デジ119ver.(ライト)
5位:CRスーパー海物語IN JAPAN319バージョン(甘デジ)
6位:CRA大海物語3Withアグネス・ラムSAP(甘デジ)
7位:CRスーパー海物語IN沖縄4桜バージョン・ライト199ver.(ライトミドル)
8位:CR大海物語BLACK LIGHT(ライトミドル)
9位:CRスーパー海物語IN沖縄4桜バージョン・新max319ver.(ミドル)
10位:CRA大海物語スペシャルWithアグネス・ラムSAP13(甘デジ)

 このランキングによると、「沖海4」と「大海4」のミドルタイプと甘デジ・ライトタイプがトップ5以内にランクインするという、順当な結果となりましたが、スペック別で見た場合、上位10機種中ミドルが3機種、ライトミドルが2機種、甘デジ・ライトが5機種と、甘デジ・ライトが半数を占めた点に注目されます。ここ数年、「海物語」シリーズのバージョン機が次々とリリースされているにも関わらず、実質的にはミドルタイプと甘デジ・ライトタイプの2ジャンルで海コーナーが支えられ、ライトミドルがまだまだコーナー内で付加的な位置付けに止まっている状況に相違はありません。
 ただ、ヘソ賞球が4個へと変更されて以降、差玉を打ち出せなくなった甘デジが全体的に不振を招いている点は甘海においても例外ではなく、今回ランクインした甘海の中にも稼働割れを起こしているタイトルがあります。現在の「海物語」コーナーのテコ入れを想定した場合、「甘海」に頼るにはもはや限界があり、やはり設置シェア、稼働の双方でまだ伸び代のあるライトミドルが大きな鍵を握りそうです。
 特に今回のランキングでは、ライトミドルの最高位が7位の「CRスーパー海物語IN沖縄4桜バージョン・ライト199ver.」となり、トップ5にすらランクインしませんでした。本機種も販売予定台数が抑えられ、単体でトップ5以内にランクインすることは難しいですが、仮に本機種と「CRスーパー海物語IN沖縄4桜バージョン・ライト199ver.」でこれらに匹敵する規模の設置シェアを確保できれば、「海物語」コーナー内にミドル、ライトミドル、ライト・甘デジでの3つの柱が確立され、より効率的な運用が可能になるでしょう。

◆「海物語」コーナー内の3つ目の柱
 以前のブログで、現在のライトミドルは、ミドルタイプの遊技に疲弊したヘビーユーザーだけでなく、現在の甘デジの出玉性能に物足りなさを覚える甘デジ・ライトユーザーの受け皿になる可能性があるとお伝えしました。これは「海物語」シリーズにおいても同様のことであり、海ファンの回遊性を高めるためにも、ライトミドルとなる本機種でミドルタイプや甘デジ・ライトタイプとの橋渡しを行なうことが重要でしょう。

 特に現在、商圏内において「海物語」シリーズ人気の店舗間格差がより強く表れ、いわゆる地域1~2番店でなければ、「海物語」シリーズで多くのユーザーを呼び込み、高稼働を維持させることが難しい環境になっております。これに該当しない店舗では、集客できるユーザーに限界があることを踏まえ、1人あたりの遊技時間を引き伸ばす策を検討しなければなりません。
 
 いずれにせよ、様々な事情により、「海物語」の集客や稼働が頭打ちにある状況においては、本機種を含めたライトミドルの「海物語」に注力し、活路を見出していくことが有効かと思われます。

※ 当サイトで使用しているホールや機械の画像はすべて許可を取り撮影し、掲載しております。

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この記事の著者

石野 晃
株式会社 矢野経済研究所
サービス産業事業部 上級研究員
2000年、(株)矢野経済研究所に入社。翌年より会員向け情報誌「パチンコパチスロ新機種情報」の編集業務に携わり、パチンコを中心とした機種分析を本格的開始。以降、アンケート調査業務や遊技機メーカーへの開発支援業務などを通じ、業界に様々な意見を進言している。
株式会社 矢野経済研究所
石野 晃
株式会社 矢野経済研究所
サービス産業事業部 上級研究員
2000年、(株)矢野経済研究所に入社。翌年より会員向け情報誌「パチンコパチスロ新機種情報」の編集業務に携わり、パチンコを中心とした機種分析を本格的開始。以降、アンケート調査業務や遊技機メーカーへの開発支援業務などを通じ、業界に様々な意見を進言している。
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