中高年~高齢層を中心とした常連客への取組み

センターを狙え!NAVIマシーン

GW前~GW明けに導入される新機種が徐々に出揃ってきました。以前のブログでもお伝えしましたが、今年のGW商戦は、昨年の「CR北斗の拳7~」の様な、集客の起爆剤となる大型タイトルが登場せず、本来であれば、稼働のピークを迎える5月3~5日頃に来店客数や稼働、売上が伸び悩むケースが想定されます。逆にGW商戦明けの導入予定機種に目を向けますと、「CRキャプテン翼~」「CRJAWS再臨~」「CRミリオンゴッドディセント」と、既に実績を残している人気シリーズ機や大型版権を用いた話題機種が複数あり、今年はこれらの機種でGW商戦期の伸び悩みを如何にフォローできるかも重要になってくるでしょう。
その意味では、GW商戦明けの5~6月にも定期的な新台入替などで常連客を取りこぼさない取組みを行ない、次の夏期商戦へと備えていくという“線”で捉えた計画が必要になります。

大型タイトルが登場しない今年のGW前後の対策の1つとして、以前のブログでは、甘デジタイプとミドルタイプの中間領域にあるライトミドルタイプを有効活用し、ユーザーの店内滞在時間と遊技時間を上げていくことをお話ししました。
今回は、各店舗で稼働や集客のベースとなっている常連客にスポットを当ててみたいと思います。

◆常連客の遊技動向
地域や店舗規模などによって差はありますが、現在、いずれの店舗においても、以下の条件に該当する常連客の方が最低1名以上、来店しているかと思われます。

・年代:50代以上の中高年~高齢層。
・主な来店時間:午前~夕方前。
・遊技頻度:週3回~ほぼ毎日。
・遊技時間:3時間前後。
・遊技予算:貯玉の活用を含めて1万円前後。

彼らの場合、パチンコを「ギャンブル」ではなく、「日々の娯楽」と捉え、「少ない金額で長く遊べる」ことを求める傾向にあります。ただ、来店頻度の高さから、1週間、1ヶ月単位で見た場合のトータル的な遊技予算は上がり、仮に1日5000円の予算で週6日来店した際の遊技金額は合計30000円と、高射幸性タイプを遊技するヘビーユーザーと同等の水準になります。
日々の営業では、いわゆる“単価の高さ”や“短期間での売上”に注目し、投機的嗜好の高い若年~中年ユーザーに重点を置いてしまいますが、実は中高年~高齢の常連客も売上面で大きく貢献していることが分かります。

また、中高年~高齢の常連客は店舗間での流動性が低く、余程の環境変化が起こらない限り、「常に来店して頂けている」という安心感があります。この安心感によって、常連客へ向けた対策を二の次にしているケースは多いと思われますが、仮にこの常連客が1人でも離反してしまった場合、来店客数、稼働時間、売上のあらゆる面で大きな損失になってしまうことにも注意が必要です。

現在、パチンコユーザーの年代層が上がり、ホール内では中高年~高齢層を多く見かけます。しかしながら、これは「常連客の来店頻度の高さ」が要因であり、中高年~高齢層の絶対数が決して多いわけではありません。新規のユーザーが充分採り込めていない点は他の年代と同様であり、「数少ない貴重なお客様」という観点のもと、中高年~高齢層を定期的にケアする取組みを意識していかなければならないでしょう。

◆遊技頻度の高い年代
以前、弊社でファンアンケートを実施したところ、「20~24才」に次いで、「70代」の遊技頻度が高い結果となりました。いずれも余暇時間にゆとりのある年代であり、やはり結婚、出産、育児など、人生の転換期を迎える30~50代では、遊技頻度が週2回未満へと低下しております。
ただ、この遊技頻度の高い2つの属性のうち、「20~24才」に対しては、「萌え系」「アニメ系」と若年向け版権を用いた機種のラインアップが豊富であるのに対し、「70代」を明確にターゲットとした機種は依然「海物語」シリーズにほぼ限られ、彼らのケアが十分できているとは言えません。さらにこの「海物語」シリーズも現在は店舗毎の稼働・集客差が歴然としており、余程の覚悟を決めない限り、「海の強化」で成果を挙げることも難しくなっています。

つまり、「70代」については、遊技頻度がもともと高い属性であるにも関わらず、有力機種の不足などから、万全の対策が立てられず、その貢献度を充分に高められていない状況にあります。昨年「CRぱちんこ必殺仕事人Ⅴ」が登場し、中高年~高齢層の流動が生じた点を踏まえると、決して彼らは定番以外の機種を遊技しないわけではなく、興味のある新機種や話題機種が登場すれば、きちんと反応していきます。ここ最近は、中高年~高齢層をターゲットに謳った新機種のリリースが減っておりますが、この様な機種が登場した際には、中高年~高齢層の貢献度を上げていく対策をきちんと考えていかなければなりません。

◆中高年層をケアする入替戦略を
50代以上の常連客の方は、パチンコホールに対し、顔なじみのスタッフや他の常連客と交流を図るなど、地域コミュニティとしての役割も求めており、ここ最近は、お客様とのコミュニケーションを強化した接客を行なうことによって、常連客の帰属意識を高める店舗も増えてきました。ただ、この取組みの多くは、接客、休憩コーナー、設備、備品など、遊技時の快適性や利便性を追求した周辺サービスであり、今後はその根本となる遊技機の運用も強化し、常連客の支持を確固たるものにしていく必要があります。

主だった対策を施さなくも現状を維持することは可能ですが、ホール営業という観点において、来店回数がもともと多く、それなりに予算も費やす中高年~高齢層のポテンシャルは高いものがあります。常連客比率が高まる5~6月のオフピーク時には、このポテンシャルを売上や集客へと反映させていく取組みが求められるでしょう。

※ 当サイトで使用しているホールや機械の画像はすべて許可を取り撮影し、掲載しております。

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この記事の著者

石野 晃
株式会社 矢野経済研究所
サービス産業事業部 上級研究員
2000年、(株)矢野経済研究所に入社。翌年より会員向け情報誌「パチンコパチスロ新機種情報」の編集業務に携わり、パチンコを中心とした機種分析を本格的開始。以降、アンケート調査業務や遊技機メーカーへの開発支援業務などを通じ、業界に様々な意見を進言している。
株式会社 矢野経済研究所
石野 晃
株式会社 矢野経済研究所
サービス産業事業部 上級研究員
2000年、(株)矢野経済研究所に入社。翌年より会員向け情報誌「パチンコパチスロ新機種情報」の編集業務に携わり、パチンコを中心とした機種分析を本格的開始。以降、アンケート調査業務や遊技機メーカーへの開発支援業務などを通じ、業界に様々な意見を進言している。
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