規則改正~2020年までの主な出来事

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 今回の規則改正に伴い、3年間の移行期間が設けられ、2021年1月までは現行規則の遊技機と新規則機を併用することができます。4号機→5号機へと移行した前回の規則改正時におけるパチスロの市場環境を振り返ると、移行期間が終了した2007年に販売台数、設置台数、稼働の全てが大きく減少しました。これを教訓とするならば、2021年以降、売上や市場規模の縮小が避けられないことを予め視野に入れ、2020年までの3年間で、これを乗り切るための体力作りを行なっていく必要があります。

 ただ、2020年までのスケジュールを見据えると、なかなか一筋縄ではいかないことも事実です。そこで今回は、2020年までに決定している、大きな出来事を3つ紹介します。

①消費税が8→10%へと引き上げ(2019年10月)
 当初の予定から延期されたものの、消費税10%への引き上げは既に決定しています。これに合わせ、貸し玉料金の見直しに再度迫られるかもしれません。
5→8%へと増税された2014年の場合、1000円あたり50→47枚とするパチスロの外税営業は普及したのに対し、パチンコでは、出玉の減少分がプレイヤーに露骨に伝わってしまい、外税営業に踏み切れなかった店舗も多かったと思います。ただ、今回は10%への引き上げとなり、日々の営業における負担がさらに増します。2019年10月を目安に、パチンコについても、外税営業を本格的に検討していかなければならないでしょう。
「100円=25玉」という貸し玉に慣れてしまったパチンコプレイヤーに外税徴収を納得して頂くには、どの様な徴収方式を採用すべきか、どれ位のタイミングでどの様な告知を行なうべきか、非常に頭を悩ませるところです。場合によって、組合単位で共通した取り決めやルール作りを行ない、地域全体でパチンコの外税営業を普及させていく必要もあるかもしれません。
 また、外税方式の採用に合わせ、店舗全体のリニューアルや設備の変更を行なう店舗もあるかと予測されます。当然ながら、顧客の流動が起こる転機になってしまいますので、2019年下半期以降は、競合店の動向もチェックしておいた方が良いでしょう。

②「ラグビーワールドカップ2019」開催
(2019年9月20日~11月2日、日本全国12会場)
 消費税の引き上げと同時期に、日本初となる「ラグビーワールドカップ」が全国で開催されます。これまで、国を挙げた一大イベントが開催される際には、行政サイドの要請により、パチンコ・パチスロの新台入替自粛が行なわれており、今回も例に漏れず自粛期間を設定しなければならないでしょうが、これまでの「サミット」開催時とは異なり、大会の開催期間が長い点に注意が必要です。恐らく、この場合、開催前の9月初旬から決勝戦後の11月上旬までと、2ヶ月以上の長期に渡る自粛を余儀なくされるのではないでしょうか。
 この業界では、例年9月~11月に来店客数が1年間の中で最も減る閑散期を迎え、ここ2~3年は、閑散期であっても話題の新機種を投入して客数の減少を極力抑えるという動きがありました。これに対し、2019年においては、閑散期+新台入替自粛という、まさに“二重苦”の中で営業を乗り切っていかなければなりません。その対策として、増客の期待できる夏期商戦の営業が例年以上に重要な鍵を握っています。7~8月に積極的な投資を行いながら、集客や稼働のピークを最大限に高め、閑散期における客数や稼働を下げ止まらせる必要があるでしょう。
 

③東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会
(オリンピック:2020年7月24日~8月9日/パラリンピック:2020年8月25日~9月6日)

 「ラグビーワールドカップ」の翌年に「オリンピック・パラリンピック」が開催されますが、開催期間は1ヶ月以上に及びます。昨今の国際情勢を踏まえれば、各国のVIPを招くにあたり、テロ対策など、厳重な警備が必要とされ、恐らく新台入替自粛期間は、「ラグビーワールドカップ」開催時よりも長い、2ヶ月半~3ヶ月に及ぶかもしれません。
 また、両大会の開催日とパチンコホールにおける1年間の推移を照らし合わせると、稼働上昇が見込める7月に新台入替が行なえない状況の中、盆商戦を迎え、自粛期間が明けると同時に閑散期へと突入します。増客の期待できる時期に十分な仕掛けが実施できないまま、閑散期を迎えるという意味では、2019年の「ラグビーワールドカップ」開催時よりも厳しい営業を迫られるのではないでしょうか。
 こう考えると、2020年については、まさに「1~6月までの前半が大きな勝負どころ」と言えます。仮に2020年前半に十分な成果が挙げられなかった場合、2020年12月まで巻き返しのチャンスがないことを覚悟しなければなりません。
「上半期の営業の成否が1年間の営業に大きな影響を与える」ことを念頭に入れ、早めに仕掛けていく必要があるでしょう。

 以上、2020年までに予定されている大きな出来事とパチンコ業界への影響を検証してきました。これらの出来事に加え、2019年後半以降は現在の主力機種の相次ぐ検定・認定切れが控えており、営業面で様々な制約が生じる中、新規則機への入替を本格化していかなければなりません。
 新規則機時代突入までの3年間という移行期間は一見長く感じられますが、決して余裕はありません。このスケジュールを踏まえ、今後3年間の営業計画を現段階から立てていった方が良いかもしれません。

※ 当サイトで使用しているホールや機械の画像はすべて許可を取り撮影し、掲載しております。

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この記事の著者

石野 晃
株式会社 矢野経済研究所
サービス産業事業部 上級研究員
2000年、(株)矢野経済研究所に入社。翌年より会員向け情報誌「パチンコパチスロ新機種情報」の編集業務に携わり、パチンコを中心とした機種分析を本格的開始。以降、アンケート調査業務や遊技機メーカーへの開発支援業務などを通じ、業界に様々な意見を進言している。
株式会社 矢野経済研究所
石野 晃
株式会社 矢野経済研究所
サービス産業事業部 上級研究員
2000年、(株)矢野経済研究所に入社。翌年より会員向け情報誌「パチンコパチスロ新機種情報」の編集業務に携わり、パチンコを中心とした機種分析を本格的開始。以降、アンケート調査業務や遊技機メーカーへの開発支援業務などを通じ、業界に様々な意見を進言している。
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