人は何故、新台を打つのか?

真剣勝負!銀玉一球入魂

私がまだ若かりしき頃(およそ30年前)は新台の威光というのは、それはそれは絶大でした。
新装開店という催しも毎週定期的に行うというスタイルでは無く、数か月に一度のペースであり、新装開店初日は6時開店の時間打ちで徐々に数日もしくは1週間かけて開店時間を早くするという手法です。その当時私はメーカー営業のお手伝い(研修)をしていましてあちらこちらのお店で新装開店準備に携わっていました。まだ若かった為、色々なお叱りやアドバイスを受けながら9ヶ月ほど支店の方々やホールの方々にお世話になりました。

卒業試験という物が有ってこれをクリアしないと研修を修了できません。
内容は“新台の割数を新装開店初日から1週間かけて30割から14割に少しずつ落としていく”というものです。
台数は32台で(その当時羽根物でも1列入れ替えはざらでした)、1種タイプは10万台売れるのが当たり前のような時代です。更にどこも同じ日に新装開店というのではなく、1ヶ月から長い機種で3ヶ月くらいは同一機種の新装開店を行っていました。勿論その当時の工場製造能力が今ほど高く無い為、同時に何万台も収めるのは到底無理というのもありますが、良い機械なら多少遅く納品しても営業上さしたる問題にならないという風潮もあったからです。

入替の初週あたりは営業所のみんなでどう使用するか打ち合わせを行い、技術(昔は営業マンと釘整備専門の技術という担当の方がいらっしゃいました)主導で指針を決めるのですが、どうしても皆自分の個性を出したがるので担当ホールによって姿形が様々です。
それぞれ情報交換しながら“これは成功だった、これは失敗だった”などの論議を重ねて1ヶ月もたつとほぼ共通の最善の型が出来上がっていました。
私の卒業試験のころは、とあるロングセラー機種が題目だったので、もはやゲージ表など必要としない、俗に言う“体で覚えている状態”だったのでそれほど割り数合わせは苦労しないはずだったのですが、やはり日に2割ずつ落とすという全体の平均を求めると同時に個々の数値の均一化も求められている部分には神経を使いました。何しろホールコンピューターはS・B・TYのみですから何が原因で数値が高かったり、低かったりするのか推し量るのに苦労します。
せめてS1でもわかれば良いのですが・・・
結局保留4個止め打ちの有無等遊技者の個体差も影響力が強いので、同一の状態で2~3日放置してデータをみることも大事でした。そういった試行錯誤を重ねながらなんとか1週間で。規定値に落とせたのですが、それくらい新台の扱いは慎重だったのです。

さて本題に戻りますと、人が新台を打つ最も大きな理由は“出るから”が最も大きな%であることに間違いなく、これはホールと遊技者の間のお約束事だと言っても過言ではないのです。その証拠に新装開店で失敗した状態(出ない状態)を遊技者が察知すると、すぐに旧台に逆戻りという光景は良く見かけましたし、この場合ホールだけではなく、遊技者のクレームは半端ではないのです。

昨今の新台の取り扱いを見るとただ新しいという魅力だけですし、旧台に戻ろうにもこちらもある種凄惨な状況ですので、同じなら新しい方を遊技した方がまだましだというある種究極の選択を余儀なくされているケースが非常に多いのは周知のとおりですし、ホールに至っては年に数機種出現するかしないかの“出さなくても稼働の良い台が良い機械なのだ”というミラクル機種を待ち焦がれている状況です。
ホールも遊技者も互いに満足の行く環境作りの構築をしていきたいものですし、一部のホールでは今日のような状況でもある程度、この環境作りが出来ているのも事実です。多くのホールが再び良い環境に戻れることを切に望みます。

※ 当サイトで使用しているホールや機械の画像はすべて許可を取り撮影し、掲載しております。

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この記事の著者

本田 正豪
株式会社ピーマップス
専務取締役
元大手メーカーのパチンコ開発者。ゲージ設計・スペック設計・遊技機企画に携わって、数多くの機種を世に送り出す。現在はメーカー様、ホール様への支援業務(アドバイス・講師・技術指導等)を中心に活動中。年間300日以上パチンコ台と向き合い日々真剣勝負!
株式会社ピーマップス
本田 正豪
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専務取締役
元大手メーカーのパチンコ開発者。ゲージ設計・スペック設計・遊技機企画に携わって、数多くの機種を世に送り出す。現在はメーカー様、ホール様への支援業務(アドバイス・講師・技術指導等)を中心に活動中。年間300日以上パチンコ台と向き合い日々真剣勝負!
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